天秤の柱【可愛京子】

2020.11/16

ようやく決着の見えてきた
アメリカ大統領選ですが、
およその結果は出ているものの
さわやかな政権交代には至っていません。

 

この選挙を見つめながら
私はアメリカ国民ではありませんが
どちらかを応援するのではなく
平和と一致をもたらす人選が
なされることを望んでいました。

 

 

この選挙を自分の内面に照らしてみると
日常生活を成り立たせている
人間の基本的なものを感じました。

 

 

私達は他者との関わりを通して
たえず自分の在り方を変え
その中のどの自分がホンモノで
どの自分がニセモノの自分かなど
簡単に決める事は出来ないものです。

 

 

その両方は分離できず
両方とも自分であり、常にその間を
行き来して揺れ動いています。

 

 

それを区別し、追及してしまうと
人間を追い詰めてしまい
もともと備え持った人間の性質を
打ち消してしまいます。

 

 

「本当の自分」を求める欲求は
私達皆が持っていて
避ける事はできませんが
他者を自分の欲望の実現のために
道具としてしまわないよう
自制をする品格、謙遜が
求められるはずです。

 

 

天秤の左右のどちらかに
大きく傾くのを我慢したり
諦めたりするのではなく

 

 

真中の柱に限りなく近づく
品格、謙遜、自制を
人知を超えた
高いところからの声を聴くことで
慈しみや優しさが
働きはじめると確信します。