待合室【可愛京子】

2020.01/21

心静かにイメージすると

行列をなしている多くの人間の中に

自分がいる。

行列の先は火葬場。

「人生」という待合室にいる。

 

これに気付いて絶望してしまう人もいる。

どうして絶望するのでしょう?

 

それは、生きる事から何かを期待する

その根本的な姿勢には

世界の中心に自分がいて

周りが自分に応えてくれると

思い込んでいるのでしょう。

 

絶望の心に陥らない人もいる。

どうして陥らないのでしょう?

 

それは、ひたすら生きる事が

自分が何を期待されているかを知ろうとしていて

自分が問われている存在

応えなければいけない存在として受け止めているから。

 

何をしているのかを問うのではなく

何を問われているのか

その問いに気づいていくために聴く。

 

自分の問いかけに「聴くこと」とは

 

話すことも語ることもなく

声は聞こえなくとも

その響きは全地に

その言葉は世界の果てに向かう

 

これに聴く。

 

「聴くこと」を通して、真実な自分になっていく。

生きる事の問いに正しく答える義務

自分に課された課題を、要請を果たす義務

この適切な態度によって正しい答えは出てくる。

 

これを引き受ける

生かされている大切な命が

「待合室」にいる。