真命(まこと)』の木【可愛京子】

2019.12/23

一本の幹、若枝が伸び 様々な早実が
ひしめき合う様に成り始めると
隣り合わせの早実達が 夫々に主張し合うようになる…

補色同士でお互いを引き立て合う者達
反発しながらも切磋琢磨の新色となる者
個の空間を守ろうとするあまりに体をぶつけ合い始める者達

幹は ただただ分け隔てなく
全ての枝へ栄養を与え続ける

身体をぶつけられて地に落ちた早実は
やがて善の根から 
新たな栄養にとして若枝に送られる
繰り返し繰り返し 幹は枝を増やし実をつける

幹は枝を通して
極と極の間を丁寧に探る事を伝える
絶対観の中に含まれているマチガイも見つめよ…と

ヒーローになるわけでもなく 小さな者に目を向け
受け入れ、育て、共に生き、尻拭いをし
終わりと始まりに備える

偶然が必然に向かう長期性
すぐに叶うものでもなければ解るものでもなく
バランスをとりながら流れていく

良いものは良いものとして
不純物を捨て 浄化してゆく
小さな修正を重ねて
数えきれないほどの色に輝く実りで
賛美の詩を奏でる。