響くか否か【瀬上一憲】

2022.10/25

水曜日です。

おはようございます。

青森のせのうえかずのりこと「あおのりです。」

 

 

今秋は、いつもの年より、

寒暖差が激しいと感じます。

日中の寒暖差、前日比の寒暖差いずれも。

 

 

それがストレスだな、と

感じる自分は、確実に初老の域に

達しているという自覚があります。

 

 

一時、

メルマガを書かねば、

書き続けなければ、と言われていた

時代がありました。

あれは何だったのでしょうか。

 

 

それでも、未だにそれを

送り続けてくれる達者な方というのは、いる。

 

 

大抵のものは、

無料で送られてくるというのもあり、

読むに耐えないものが大多数なのですが、

一読することが習慣化しているのが2つあります。

 

 

それとて、いつも心に響くかというと

そういうことは当然ない。(笑)

 

 

その2つとは、

神田昌典氏と前田出氏のメルマガ。

神田氏は言わずと知れたマーケッター。

 

 

前田氏は、

協会ビジネスを

診ると提唱されている方。

 

 

当然のことながら、

文章の旨さはある。そして、面白いと思わせるネタを数回に

一度は持ってくる打率も高いという共通点がある。

 

 

今回は、なかなかに含蓄がある話だと思わされた

前田氏のメルマガからエピソードを転用させていただきます。

 

 

ある登山家がピレネー山脈を

登山中に雪崩に遭遇し遭難。

 

 

すべての装備が失われたことに気づき、

ポケットに残っているものと言えば、わずかのチョコレートと食料。

 

 

 

最悪なのはコンパスがなくなったことだった。

これでは山を降りることなど

到底できないというあきらめの気持ちが漂った。

 

 

 

ところが、ある隊員の

ポケットから1枚の地図が出てきた。

これを見ているうちにだんだんと元気が出てくる。

 

 

 

尾根がこういう風に走っていて

周囲の地形がこうなっていて、

どうやら我々はこの辺にいるのではないかと・・・。

 

 

 

今、太陽がこの辺に出ていると言うことは、東はこっち・・・。

 

 

地図の上に下山のルートの印をつける作業が始まった。

つまり、ストーリーを組み立て「下山戦略」を皆で共有したわけです。

 

 

 

下山の過程には

想定しなかった幾多の困難がありましたが、

印をつけたルートを皆で信じて、それを頼りに

困難をひとつまたひとつと乗り越え、奇跡的に下山をすることができた。

 

 

ゴール達成というわけです。

 

 

 

この話から学びたい点は、実はこの後のオチです。

 

 

 

雪崩の状況は山麓にも届いており、

麓の人々は救援隊を組織していました。

 

 

 

しかし、上空から探しても

手がかりは見つからず、生還は絶望的という

半ばあきらめの状況に、登山隊が生きて自力で

戻ってきたのですから、驚いたはずです。

 

 

 

「あの状況で、いったいどうやって戻ってこれたんですか?」

という質問に、登山隊のリーダーは、

一枚の地図を取り出し、「この地図のおかげで助かりました」と見せる。

 

 

 

それを見た救援隊は、

笑ってこう言いました。

「こんなときによくそんな冗談を言う余裕がありますね。

これはアルプスの地図じゃないですか」

 

 

隊員たちが良く見ると、

確かに、それはピレネーではなくアルプスの

地図だったのです。(「ストーリーとしての競争戦略」 楠木 健)

 

 

面白いですね。

この話から何を学びますか?

A:信じる者は救われる?

 

B:目標を決めれば、何とかなる?

 

C:専門家でも、そんなもの。諦めるな!

 

 

このようなエピソードは、

聞いた人それぞれに全く違う教訓を与えます。

 

 

 

エピソードをどのように活用するか?

あなたの組み立て方ひとつで、

人の心に響くストーリーを作り出すことが出来ます。

 

 

以上引用を終わります。

 

 

いかがでしたか。

 

 

我々は、

様々な痛み・悩みを抱えている

患者さんと向き合う日々を送っています。

 

 

仕事を始めた頃、

治せなかったことできなかったことも

いつの間にか経験を積み、

少しずつ治せるようになってくると、

初めてありがとうと言われたときの

ココロの昂りや感動したことをつい忘れがちになっていないか。

人と向き合って仕事をする楽しさ

自体がストーリーなのだなと思わざるを得ません。

 

 

残念ながら私にはそれを伝えきる術と

根性を持ち合わせていませんが、痛みを感じる患者さんが

自分の院を訪れてくれた事自体がキセキのはじまりだということは

念頭に置きつつ仕事する自分でありたいと思います。