脱・新自由主義【安治久志】

2025.11/13

「バズれば勝ち」「稼げたら正義」「競争が世界を強くする」
この言葉――私たち経営者ほど、一度は信じたことがあるはずです。

僕自身も20代・30代でどっぷり浸かりました。
数字を上げること=価値がある
売上を伸ばすこと=社会を導いている

そう本気で信じていた。

でも今なら分かります。
それは**“成功の姿をした宗教”だった**と。


◆ 新自由主義は信念ではなく“思考の支配”

新自由主義のロジックは簡単です。

市場=神・・・市場の評価が全て正しい

競争=善・・・勝つ者だけが価値を持つ

利益=正義・・・稼げることが社会貢献

自己責任=絶対・・・弱さは努力不足

聞こえは強くてかっこいい。
でも構造的にこうなります。

  • 競争に勝った者だけが称賛される

  • 弱さを見せると失格になる

  • 連帯より “蹴落とし合い” が正当化される

  • バズった言葉が真実より強くなる

結果、人間ではなく **“数字が人格を持つ社会”**になる。


◆ 商売人が最も危険な状態とは?

それは――

お客様ではなく、数字を愛し始めた時。

  • 目の前の1人より、フォロワーの1万人

  • 信頼の積み重ねより、再生回数

  • ありがとうの数より、売上の数値

これが進むと…いつの間にか

「何のための商売だったのか?」
「誰の役に立ちたかったのか?」

を忘れてしまう。

そして数値を追いかけながら、心だけがすり減っていく。


◆ 新自由主義は“選ばれる側”を育てない

“数字に選ばれる側”を作る

かつての成功モデルは、

  1. 努力 → 2. 結果 → 3. 評価 → 4. 信頼 → 5. 豊かさ

しかし今は、

  1. バズ → 2. 注目 → 3. 数字 → 4. 影響力 → 5. 収益

ここには 信頼も責任も人格もない

だから簡単に燃えるし、簡単に壊れる。

数字の王座は虚無だ。
座っても偉くないし、降りると何も残らない。


◆ 商売人の本当の強さとは何か?

数字を持つことじゃない。
フォロワーを持つことでもない。

「私の生き方・仕事の在り方そのものが、信頼されている」

この状態です。

つまり、

✅ 競争ではなく共創
✅ 承認より信頼
✅ 影響力より貢献
✅ 売上より循環

商売人のゴールは「売上の最大化」ではなく

“信頼の蓄積”と“循環の設計”

です。