「時代が違うんで…」【安治久志】

2025.09/12

昭和の厳しさと令和の優しさ──「時代が違う」で終わらせないために

◆ 職人の世界で見えたこと

私が会社員の時

”大阪もの作り”というプロジェクトで職人さんの研修に

いった事があり、

「メガネ持ってこい」と言われて

防塵メガネを持って行ったら、どうエライ怒られて

メガネって言うたら

「メガネレンチやアホンダラ」と

怒鳴られる、今では問題になるような時代で

 

 

「見て覚えろ」

「まだマシだ、言ってくれるだけありがたい」

まだ昭和の空気が色濃く残っていました。

 

 

そんな指導を受けながら、

必死に先輩の動きを目で追い、

今何をしようとしているのかを想像しながら学ぶ毎日でした。

 

 

その結果、ただ技術を覚えるだけではなく、

周囲を観察する力・同業以外にも視野を広げる癖が自然と身についたのです。

 

 

◆ 昭和と令和の教え方の違い

  • 昭和の教え方
    厳しさの裏に「期待」がありました。
    叱られるのは「お前ならできる」と思われているから。
  • 令和の教え方
    優しさの裏に「期待」が薄いことが多い。
    「時代が違うから」「無理をさせないように」と
    配慮するあまり、可能性を伸ばす機会を失っているようにも見えます。

 

もちろん、昭和的な
「怒鳴る」「見て盗め」ばかりでは、
今の若者には合いません。

 

ですが、期待を込めた
厳しさまで失ってしまって良いのでしょうか?

 

 

 

◆ 「時代が違う」で終わらせないために

「昔はこうだった」と言うと、よく返ってくる言葉が

「時代が違うんで」

確かにその通りです。

 

しかし、そこで終わらせてしまえば、

昭和から学べる大切な財産まで失われてしまいます。

 

 

大事なのは、「叱る」ではなく「期待を伝える」形に進化させること。

  • 「できない」ことを責めるのではなく「できると思うから任せる」と伝える
  • 「見て覚えろ」ではなく「観察力を鍛えるために見て学んでみよう」と言語化する
  • 「時代が違う」ではなく「やり方は変えても、精神は残す」と言えるかどうか

 

◆ 学校教育や社会にも通じる課題

これは職人の世界だけではありません。
学校教育、企業、家庭…あらゆる場面で
「厳しさ=悪」とされ、「優しさ=正しい」という空気が広がっています。

 

 

でも本来の厳しさは、

「あなたに期待している」という信頼の裏返しです。

その精神を引き継がない限り、

次の世代は挑戦する前から諦める癖がついてしまいます。

 

 

◆ まとめ

  • 昭和の厳しさの裏には「期待」があった
  • 令和の優しさの裏には「期待」が薄い
  • 「時代が違う」で終わらせず、精神を残し、表現を進化させることが必要

厳しさは「否定」ではなく「信頼」

優しさは「甘やかし」ではなく「応援」

この両方を掛け合わせてこそ、

令和の時代に「人を育てる力」が戻ってくるのではないでしょうか。