転ばぬ先の杖は、何本あればいいか【瀬上一憲】

2014.12/24

この時期、

根雪が舗道を覆って、

歩くのも一苦労というのが

北国のお約束なわけですが、今日(12/21)時点の

十和田市は、一寸事情が違っています。

 

というのも、今のところ雪は降るものの、

日本海側のような「豪雪状態」ではないため、雪は解けて、

今朝のウォーキングは、ジョギングシューズでモーマンタイ(問題なし)なコンディション。

 

いつもの雪に足を取られ、

負荷のかかる状況ではない、ウォーキングを楽しみました。

 

あっ、わたくし、

単にウォーキングと書いてますが、

私の場合のウォーキングというのは、

あくまでもポールを2本使って歩く、「ポールウォーキング」のことですので、

あしからず。(笑)

 

 

気温は低かったですけどね。

それでも防寒対策をぴっちりすれば、なんてことないわけです。

 

そんな折、一本杖をつきながら

歩いておられる高齢者がいらっしゃいましてね。

今日は、雪道でもなかったから、それほど杖をついて歩くのに

苦労しているというそぶりではなかったんですが。

 

 

みなさん、

 

一本杖をつきながら歩いたことがありますか?

 

これ、便利なようでなかなか扱いが大変な代物であります。

カメラの三脚は、3つの足の長さが均等であるし、

固定されているから、ぐらつかないわけですが、大体、

杖というのは、足の長さと一緒ということはありませんので、

どうしても前屈みになって、視線は下に落として歩かなければならないわけです。

 

 

こういう姿勢は、

イイ姿勢で歩いているとは言い難いわけです。

しかも、前のめりになって歩くことになるから、

踵をついて足指でけるような歩き方も難しいことになるわけです。

 

 

うちの母親も膝の変形性関節となっておりましたので、

使う場所に応じて、一本杖、一本杖で、安定感を出すために接地面が

4本脚になっているもの、そしていよいよ歩きが厳しいという状況で介護用品として

購入したのが、4本足の駒みたいなもの。

これをガタコンガタコンと押しながら、室内を歩いていました。

 

でも、歩く姿勢が悪いのは一緒。

前のめりですから、正しい歩き方には程遠い有様でした。

 

今にして思うのは、あの杖をもう一本増やして

歩かせたらよかったのに、ということです。

 

自分が2本杖で歩くと、その思いはより強くなります。

安定感が格段に増しますから。

そして、背筋が伸びて、目線を上にして歩くことができますから、、

 

当時、その発想がなかったのは、

ポールウォークという存在も知らなかったんだけれど、

2本のポールを使って運動するというのは、健常者が行う

「ノルディックウォーク」だという思い込みがあって、

膝の悪い母親にはとてもそんなことはさせられないという

思い込みでした。

 

むしろ、

当時の私は、

杖なしで歩けるようにと足指をシッカリほぐして、

自分の足で立たせることのほうに主眼を置いた施術を

心がけておりましたから、杖を2本持って歩けば安定感が

より増すという発想を持てずにいました。

 

安定感が増すだけでなく、

肩周りもしっかり動かせる、体幹も鍛えられる、

となると、2本杖でもって歩く方が、リハビリ効果も当然に上がりますね。

それに、足指を解してあげるケアが加われば、

効果は何倍どころか、何乗にも期待できるわけです。

 

 

ネットを調べると、

高齢者用の2本杖というのは、

商品化されています。

 

でも、それは、

介護保険の対象補助商品ではないようです。

 

そして、想像するに、

それを使ってきちんと歩けるように

お伝えすることができる人も少ないんじゃなかろうかと

思われるわけです。

 

あえて、書きますが、

そういう介護施設では、

転倒で怪我をされるのを嫌いますし、

リハビリ施設でもあえて、危険が伴うことはようしませんて。

むしろ、車いすに乗せて移動する方が、

介護する側にとっては楽だったりしますから、ね。

 

たぶん、

こういうのって、

僕らの出番じゃないかと思うわけですよ。

カラダのことを知っていて、

どうやったら2本足で歩けるようになるのか、

その前に4本足で歩くことをきちんと伝えられるのか、です。

 

 

僕は、そういう整体師になって、

寝たきりで死んでいく人を一人でも少なくしたいと思っています。

健脚年齢と死亡するときの年齢は、イコールでありたいです。