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9割が間違えているターゲットの絞り方【安治久志】
2025.12/29

「ターゲットを絞れ」「ペルソナを作れ」──マーケティングではよく聞く言葉です。けれど、その多くは年齢や性別、職業といった表面的な切り口に終始しがちで、実際の集客では思ったほど効果が出ないことが多い。人が本当に反応するのは数字や属性ではなく、心の中にある違和感や価値観、問題意識です。
なぜ「年齢・性別ベースのペルソナ」は浅いのか
広告を作る側にとっては、年齢や性別での切り分けは便利です。ターゲティングが明確になり、配信がしやすくなるからです。しかしローカルビジネスや専門性を打ち出す発信では、それだけでは顧客の心に届きません。
- 地域の人口構成と合っていない場合、作ったペルソナに当てはまる人がそもそも少ない。
- 年齢や性別だけでは「なぜその人があなたのサービスを必要とするか」が伝わらない。
- 同じ年齢層でも価値観や生活の違いで反応が大きく変わる。
例えば治療院であれば、実際に来る人は40代〜60代の女性が多く見えるかもしれません。しかし「40代の女性、子どもが2人、肩こりがつらい」と決めつけたメッセージを出しても、実際には20代の女性や60代の男性が「それ、私のことだ」と感じて来ることがあるのです。つまり重要なのは属性ではなく、心の動きです。
本当に効くターゲットの切り方:問題意識設定
問題意識設定とは、相手が「何に違和感を持っているのか」「何に疲れているのか」「どんなことを信じ始めているのか」を軸にターゲットを定める考え方です。
例を一つ。私が一貫して発信しているメッセージは「血流が悪いから体が悪くなる」というものです。年齢や性別を指定していませんが、血流の問題に対して漠然とした違和感を持つ人には強く響きます。その結果、20代〜60代まで幅広い世代が集まり、顧客同士の間にも共感が生まれ、コミュニティが自然に育ちます。
問題意識設定のメリット
- 年齢や性別にとらわれないため、潜在顧客の幅が広がる。
- 価値観で共鳴する人が自然に集まるので、顧客同士のつながりが生まれる。
- 商品やサービスが長続きする。単発の集客で終わらない。
わかりやすい現場の例:クレープ屋とネイルサロン
治療院の近くにあるクレープ屋やネイルサロンは「高校生限定」「30歳限定」といった年齢縛りをしていないことが多いです。それでも客層は幅広い。理由は単純です。彼らが呼び寄せているのは「可愛い」「テンションが上がる」「ちょっと幸せになる」といった感覚や価値観です。
この構造は治療院にも当てはまります。具体的な属性で切るのではなく、どんな「感覚」に共鳴する人を集めたいのかで切り分けると、自然に来る人の質が変わります。
問題意識でメッセージを作る、具体的な手順
- 既存の顧客に共通する「違和感」を洗い出す
来院者の声、相談内容、SNSの反応などから「どんなことで困っているか」を箇条書きにする。 - 違和感を言語化する
ただ「肩こり」ではなく「慢性的にだるい」「朝起きても疲れが取れない」「病院へ行っても改善しない」といった具体的表現で書く。 - コアメッセージを作る
例:「血流が悪いと体が回らない」「慢性的なだるさは circulation の問題かもしれない」など、相手が「あ、そういうことか」と感じる言葉を用意する。 - チャネル別に表現を変える
SNS投稿、チラシ、店頭の会話で同じ核メッセージを一貫して伝える。ただし表現は受け手に合わせて調整する。 - 反応を見て改善する
反応が良い言葉、反応が薄い言葉を記録し、どの違和感に人が反応するかを磨く。
実践チェックリスト
- 自分の地域の人口分布を確認したか
- 既存顧客の来店理由を属性ではなく「感じている違和感」で整理したか
- コアとなる問題意識(例:血流)を一文で言えるようにしたか
- その言葉を使ってテスト投稿を行い、反応を計測したか
- 反応した人たちの共通点を「価値観」で探しているか
ペルソナは本当に無駄か?使いどころを見極める
年齢や性別でのターゲティングが全く不要というわけではありません。特に広告配信や媒体の選定では属性が役に立ちます。ただし、集客の核になるのは属性ではなく感覚・価値観・問題意識です。表面的なペルソナだけで終わると、集客は浅くなりやすいことを理解しておきましょう。
最後に:競争ではなく循環で回るビジネスへ
感覚や価値観で発信すると、似た考えを持つ人が自然に集まります。顧客同士が仲良くなり、口コミや再来が生まれやすくなる。これが長期的に安定するビジネスの土台です。
属性で「誰を呼ぶか」を決めるのではなく、相手が「何に違和感を持っているか」を見つけて伝える。その視点を変えるだけで、集客の質は大きく変わります。












